軍拡で日本の平和が守れるのか
12月に「安保3文書」の閣議決定が強行されました。 敵基地攻撃能力保有と大軍拡を宣言している「安全保障3文書」、10兆円を超える軍事費を計上した来年度予算など、憲法をないがしろにし、「専守防衛」をかなぐり捨てた、「戦争国家づくり」に突き進もうとしています。
「安保3文書」には、「専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならず」とあります。しかし、軍事費をGDP比2%にしたら、日本はアメリカ、中国につぐ世界第3位の軍事大国になってしまいます。トマホーク・ミサイルのような長射程のミサイルを持つようになったら、「他国に脅威を与える軍事大国」になってしまいます。
そして「安保3文書」では、敵基地攻撃能力を保有する目的は、相手国に脅威を「しっかり認識させる」ことにあると書いています。
「専守防衛」というのは近隣諸国に対して「軍事大国にはならない」という安心感を与えて、平和的な外交をつくるうえで意義があるといわれています。これを投げ捨てることは地域の緊張と対立を激化させるだけです。
また「安保3文書」では、敵基地攻撃能力の保有は「自分の国を守る」ためのものだと強調されています。ほんとうにそうでしょうか?
「安保3文書」では、集団的自衛権行使として敵基地攻撃をおこなうということになっています。ということは、日本が武力攻撃を受けていなくても、アメリカが戦争を始めたら、自衛隊が米軍と一緒に戦い相手国の領土に攻め込むことになります。その結果、日本は報復攻撃を受けて国土を巻き込む全面戦争になってしまいます。 ロシアのウクライナ侵攻にみられるように、戦争は始まってしまうと終わらせることが大変難しいです。そして犠牲になるのは国民です。
「安全保障3文書」は、「専守防衛」を投げ捨てるもので、安全保障政策の大転換になり、憲法違反です。そうであれば国民の信を問う必要があります。 |