JR福知山線の脱線事故報道の中で、JR西日本社員の年齢構成が紹介されていたのをご覧になった方もおられるでしょう。30才〜40才までの中堅層が極端に少なく、45才以上の熟練層が多い、そのいびつな年齢構成に「うちの会社と同じや!」と感じたのは私だけではないと思います。
利益至上主義
このようないびつな年齢構成は、勿論、新規採用を控え人員を削減してきた結果です。あの国鉄のJRへの分割民営化が一体何であったのかが見えてきます。闘う組合を潰し、人員、コストの極端な削減による利益至上主義は、社内にあっては、働くものへの非人間的な扱いとなります。懲罰主義や競争で煽り立てて働かせ、多くの差別や自由にものが言えない職場を生み出します。また、働くものの主体性や、働くもの同士の人間関係を奪い、職場の仲間同士での助け合いや連帯を奪います。それが多くの事故や、設備、品質のトラブルを生み出します。この結果があの事故でした。全くどこかの職場と同じです。利益を至上とする組織は、普通の人間の常識では考えられない理不尽さや人間の悲劇を起こし、それが繰り返されます。
加古川火災事故
この記事を書いているさなかに、5月8日加古川製鉄所で火災事故が起こり、働く仲間が全身やけどで重傷となりました。利益至上主義、生産第一主義の中で、大切な人間が次々と傷つけられ、犠牲になっていきます。人を人として扱わないものに対して、顔を上げ、自分らしく向き合って闘いましょう。業務命令と、人間性や人間の命が対立したと感じた時には、悩みながら、相談しながら、手と手を取り合って、人間の方を選択していきましょう。これ以上、大切な人間が犠牲にならないために。そして人間らしく働けるように。
読売新聞記事抜粋
「8日午後2時20分ごろ、兵庫県加古川市の神戸製鋼加古川製鉄所で、発電施設の動力センター内にある発電用の1号ボイラー付近から出火、配管システム制御ケーブルなどを焼いた。水蒸気を制御する管も破損しており、近くにいた男性従業員(53才)が高温の蒸気を浴びて全身やけどを負う重傷。同6時ごろには、同センター内の6号タービン付近から出火、約3時間40分後に消えた」
*加古川製鉄所内の各工場設備が2日間にわたり停止するような大事故です。重傷を負った方の1日も早い回復を願っております。
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