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神戸製鋼の事故対策報告書はおかしい!! |
加古川市から、加古川製鉄所の一連の火災等の事故に関し、事故防止と安全確保を求める申入が神戸製鋼へなされた。住民を守る立場の自治体としては当然である。 これに対する回答が神戸製鋼のホームページ(http://www.kobelco.co.jp)に2005年6月20日付で掲載されている。タイトルは「加古川製鉄所における火災等事故防止体制の確立について」である。 今回の一連の事故に対する会社の対応は、世論の批判が厳しくなったので、仕方無しに公表したとも受け取れる。しかし、事故の内容を公表することは、企業としての社会的な責任であり、当然の義務である。
この会社回答では、以下の4つの事故が対象となっている。 そして、会社はこう答えている「この緊急事態に対し製鉄所長名で全製鉄所の作業管理、設備管理の総点検を実施することを発信した。加えて、今回の事故の発生原因を分析・整理した。
1)想定していなかった原因により発生した
ここで会社は、1)の事故で1名が死亡し、2)の事故で2名が重症を負うという痛ましい重大事故であったことについて口をつぐんでいる。 だから私たちはこの報告に反論する。それは神戸製鋼所に働くものの義務でさえある。 私たちは主張する。これら一連の事故の真の原因と責任は会社の施策にこそあると。
『想定していなかった原因により発生した』:
『作業マニュアルで決めていなかった、あるいは守られなかったことが、主因である』: 安全で確実な作業をするためには作業マニュアルが重要である。しかし、それは万全ではない。生産と安全とを臨機応変に支えているのは働く人間自身だ。決して作業マニュアルではない。事故責任を個人に絶対に押し付けてはならない。誰も事故を起こしたくて起こすものでも、死にたくて事故で死ぬわけではない。事故を起こしたのが個人であったとしても、その個人に事故を起こさせた背景、会社の施策などを解明してこそ、事故の真の原因を深く理解し、事故防止に活かすことができる。JR福知山線の事故でも、それが明らかになっており、わたしたちの教訓とさえなっている。それがなぜ会社は分らないのか。それとも分っているからこそ隠したいのか。
事故の主因:
だから、私たちは会社に要求する。会社が本当に「二度と事故を起こさない」決意であるならば、
事故の主因となった自らの施策への責任を放棄し、働くもの個人のせいにしつづけて、これまでも会社は事故を起こしつづけてきた。加古川の事故は、もはやそのような態度が、企業として許されないことをいみじくも示している。事故の再発を防止し、社会的に責任ある企業として存続して行こうとするのなら、神戸製鋼所は働くものの要求に真摯に耳を傾け、抜本的対策を立て、実行せよ。 |